校長挨拶

    「生徒が所属する喜びを感じる学校」づくりを目指して

     ~ 伊達緑丘高校は「地域の未来に貢献する生徒」を育成します ~

                         
  
                                                 
                                             北海道伊達緑丘高等学校長 桑 井 美 彦 


 北海道伊達緑丘高等学校のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
 伊達市は、北海道内でも雪が少なく、四季を通じて気候が温暖なことから「北の湘南」と呼ばれており、市域のすべてが「洞爺湖有珠山ジオパーク」(日本ジオパーク・世界ジオパーク認定)になっています。
 本校は、伊達市の東部・南稀府町のなだらかな土地の上に校舎があり、全日制課程普通科で男女共学の2学期制の学校です。校舎2階から見える風景は絶景です。校門側(1学年教室側)からは、「日本の地質百選」に選定されている活火山の有珠山と昭和新山、そして遙か彼方に「日本百名山」に選定されている羊蹄山を見ることができます。また、グラウンド側(2・3学年教室側)からは、内浦湾(噴火湾)と渡島半島の山々が見え、特に駒ヶ岳の雄大な姿を見ることができます。
本校は、昭和58年4月の開校以来、37年間の歴史と伝統を持つ地域に根ざした高校です。これまで5,300名ほどの生徒が本校を卒業し、地元伊達市内はもとより道内や国内外で活躍しています。
 また、本校の校訓は「創造 礼節 剛健」です。この校訓は、開校と同時に制定されました。
 この校訓は、学校教育目標にも生かされており、「創造」は、創造する力を伸ばし、進んで学ぼうとする態度を育てる。「礼節」は、礼節を重んじ、他を思いやる優しい心を育てる。「剛健」は、剛健な心身を培い、実行しようとする意欲を育てる。の意味を持っています。
 生徒は、この校訓に志を抱き、伊達緑丘高校の生徒であることに誇りを持ちながら、将来の夢の実現に向けて、勉学と部活動の両立に励み友情を育むとともに、心と身体を鍛え、社会で立派に一人立ちする未来の自分の姿を描きながら、日々明るく生き生きとした高校生活を送っています。
 平成31年度は、4月8日の入学式で127名の新入生を加え、全校生徒401名でスタートしました。
 平成31年度も、保護者や地域の皆様から期待され信頼される学校づくりを目指し、生徒一人一人に寄り添ったきめ細かな指導を手掛けるとともに、「地域の未来に貢献する生徒」を育成するため、教育活動のより一層の充実に努めてまいりますので、今後とも本校へのご支援とご協力をよろしくお願いします。



 

校長日誌

校長日誌
12
2020/01/20

火星とアンタレスの接近 ~その4~

| by 学校長
        火星とさそり座のアンタレスの接近、第四弾です。今回は、最接近日、1月18日の様子を紹介します。
 18日は、雲が全くなく快晴の状態で撮影することができましたが、撮影時の気温は、-12℃と久々に寒い中での撮影でした。
 1月5日から撮影を開始した火星とアルタイルの接近、ついに『目標』を達成することができました。
 火星は今後、3月下旬に木星と大接近、4月上旬に土星と大接近します。


写真1 火星とアンタレスの接近⑧ 2020年 1月18日(土) 05:02撮影
【撮影場所:苫小牧市錦岡海岸 ISO感度:1600 露出時間:15秒】
 ※ この写真は、撮影そのままのものです。写真の右下、白っぽく見えるのは月齢23の月の光に照らされた太平洋から立ち上る気嵐(けあらし)です。

写真2 写真1をトレミングした写真
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。

追加撮影1 月齢23の月   2020年 1月18日(土) 05:20撮影


【撮影場所:苫小牧市宮前町自宅前 ISO感度:400 露出時間:1/250秒】
 ※ニコン COOLPIX P900の望遠(焦点距離500mm)で撮影した月です。クレーターがはっきりと見えています。

追加撮影2 大迫力・超望遠で撮影したクレーター   2020年 1月18日(土) 05:20撮影

【撮影場所:苫小牧市宮前町自宅前 ISO感度:400 露出時間:1/250秒】
 ※ニコン COOLPIX P900の超望遠(焦点距離3000mm)で撮影した月の下部です。大迫力のクレーターが鮮明です。

09:15
2020/01/17

火星とアンタレスの接近 ~その3~

| by 学校長
    火星とさそり座のアンタレスの接近、第三弾です。今回は、1月16日と17日の様子を紹介します。
 16日は、雲も少なく接近の様子を撮影できましたが、17日は雲が多く、5時過ぎには曇天になりました。
 日周運動の関係で、さそり座の昇る時刻が少しずつ早くなり、5時前から粘っていたのですが、何とか、火星のみ撮影することができました。いよいよ、明日(18日)が最接近の日です。

真1 火星とアンタレスの接近⑥ 2020年 1月16日(木) 05:19撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:1600 露出時間:15秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。


写真2 火星とアンタレスの接近⑦ 2020年 1月17日(金) 04:39撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:800 露出時間:15秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。
 ※ アルタイルのある当たりの雲が切れることがなかったので、アルタイルの位置は予想の位置です。

追加撮影 令和2年最初の満月  2020年 1月11日(土) 18:59撮影

【撮影場所:苫小牧市宮前町自宅前 ISO感度:160 露出時間:1/500秒】
 ※1月11日は、月齢15.9ですが、今年最初の満月。新しく購入したカメラ(ニコン COOLPIX P900)で撮影しました。月の表面が鮮明です。

13:23
2020/01/15

火星とアンタレスの接近 ~その2~

| by 学校長
   火星とさそり座のアンタレスの接近、第二弾です。今回は、1月11日から15日までの様子を紹介しますが、11日、14日、15日は曇天のため接近の様子を撮影できませんでした。
 学校の方は、今日で冬季休業が終わり、明日(16日)から授業再開です。


写真1 火星とアンタレスの接近④ 2020年 1月12日(日) 05:19撮影
【撮影場所:苫小牧市錦岡海岸 ISO感度: 800 露出時間:15秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。
 ※ 雲がなかなか切れなかったのですが、午前5時15分に突如として雲が切れようやく撮影しました。


写真2 火星とアンタレスの接近⑤ 2020年 1月13日(月) 06:10撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:200 露出時間:20秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。
 ※ この日も雲が多く、粘って粘ってようやく撮影した一枚です。午前6時を過ぎると日の出が近づき東の空が薄明するので、高感度だと写真が真っ白になるためISO感度を低くしています。

10:01
2020/01/10

火星とアンタレスの接近 ~その1~

| by 学校長
  1月の中旬(18日)ごろ、明け方の南東の低空で、火星とさそり座のアンタレスが接近して見えます。両星とも赤色に輝く星なのでとても見つけやすいです。
 アンタレスは、さそり座のα星で恒星なので、天球上の位置は変わりませんが、火星は太陽の周りを公転する惑星なので、天球上の位置が毎日変わります。
 1月5日より両星の接近の様子を撮影し始めました。曇りや雪で星空が見えない日もあるかもしれませんが、18日の最接近の日を目指して、撮影したいと思っています。

 2つの星が並ぶ光景は、とても印象的と言えるでしょう。

写真1 火星とアンタレスの接近① 2020年 1月 5日(日) 05:53撮影
【撮影場所:苫小牧市錦岡海岸 ISO感度:1600 露出時間:13秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。


写真2 火星とアンタレスの接近② 2020年 1月 9日(木) 05:39撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:1600 露出時間:20秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。


写真3 火星とアンタレスの接近③ 2020年 1月10日(金) 05:37撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:1600 露出時間:15秒】
 ※ 火星とアンタレスの位置がわかるように、写真に文字を入れています。

08:15
2019/11/29

ISSと流星

| by 学校長
    11月28日(木)午後5時10分に撮影したISS(国際宇宙ステーション)の軌跡と突如出現した流星の様子です。
 ISSの出現時刻が分かっていたので、いつもどおりにその軌跡を撮影していましたが、突如とても明るく輝く流星が見え、その軌跡をカメラに収めることができました。
 流星は、いつも決まった時期に現れる流星群といつ現れるか分からない流星群に属さない散在流星に分けられます。今回、目撃した流星は、散在流星の一つと言えます。
 散在流星は、いつどの方向から出現するか分かりません。それを目撃しカメラに収めることができ、「天体観測をやっててよかった。」と、つくづく思いました。

ISSと流星  2019年11月28日(木) 17:10撮影
【撮影場所:高校バス停前の畑の空き地 ISO感度:800 露出時間:30秒】
※写真の上部の直線がISS(国際宇宙ステーション)の30秒間の軌跡、写真中央下部の直線が突如現れた流星(目視でマイナス3等星程度)、写真の中央には北斗七星が見えている
08:47
2019/11/28

明け方の水星と火星

| by 学校長
    今日、11月28日(木)午前5時31分に撮影した水星と火星です。
 地球の内側を公転している水星は見かけ上、太陽から大きく離れることがないので、日の出前の東の空か日の入り後の西の空にしか見えません。太陽から最も西側に離れる『西方最大離角』の前後に日の出前の東の空に見え、今日がその『西方最大離角』の日です。水星の右斜め上には、火星が見えています。火星は、現在、おとめ座の中を移動中(順行)です。
 25日の「校長日誌」では、夕方の西空で見られる三つの惑星(金星・木星・土星)を紹介しました。今回の二つの惑星(水星・火星)と合わせて、肉眼で見ることのできる五つの惑星全てを見ることができますので、晴れた日の明け方の東空と夕方の西空に注目してください。ただし、水星が見えるのは、12月中旬までです。

水星と火星  2019年11月28日(木) 05:31撮影
【撮影場所:高校公宅前広場 ISO感度:1600 露出時間:20秒】
※写真の中央の下、雲と雲の間に見えるの星が水星、その右斜め上に見える星が火星、さらにその右斜め上雲の中に見える星がおとめ座のα星スピカ、写真の右上に見える星がうしかい座のα星アークトゥルス
08:39
2019/11/25

金星と木星の大接近 ~ さらに土星まで見える(西空に三惑星の共演)

| by 学校長
    現在、夕方の南西の空で金星(宵の明星)と木星が接近して見えています。昨日の11月24日に、二つの惑星は大接近(満月3個分ほどの間隔まで)しました。23日と24日の接近の様子を写真撮影しました。
 写真1は、23日の様子です。また、写真2は、24日の様子です。
 惑星は、太陽の周りを公転しているので、地球から見た見かけの位置は、毎日変わります。また、金星の方が公転速度が速いので、写真1と写真2をよく見てみるとおおよそ同じ時刻に撮影したのにもかかわらず、金星の位置がかなり変化していることがわかります。「一番星」の金星と木星が寄り添うように並ぶ夕景はとてもきれいなので、是非、皆さんも夕方の西空を眺めてみてください。
 なお、金星の南側には土星が見えます(写真3)。金星・木星・土星と夕方の空に三つの惑星が並んで見える姿は壮大です。この三つの惑星が並んで見えるのは、今年、2回目です。1回目は、2月の中旬に明け方の南東の空で見ることができました(写真4)。

写真1 金星と木星の接近① 2019年11月23日(土) 16:56撮影
【撮影場所:高校グラウンド ISO感度:100 露出時間:3.2秒】
 ※写真の上側の星が木星、下側の星が金星

写真2 金星と木星の接近② 2019年11月24日(日) 16:57撮影
【撮影場所:高校グラウンド ISO感度:100 露出時間:4.0秒】
 ※写真の上側の星が木星、下側の星が金星

写真3 金星・木星・土星① 2019年11月24日(日) 16:56撮影
【撮影場所:高校グラウンド ISO感度:100 露出時間:5.0秒】
 ※写真の右下の星が金星と木星、左上の星が土星

写真4 金星・木星・土星② 2019年 2月10日(日) 05:24撮影
【撮影場所:苫小牧市錦岡海岸 ISO感度:1600 露出時間:20秒】
 ※写真の中央より右側の星が木星、中央より左下の星が金星、更に左下の星が土星
  ちなみに右側にはさそり座が見えます
09:49
2019/11/13

幻想的! 満月と月暈

| by 学校長
   11月12日(火)は満月(月齢15)でした。
 写真1は、午後9時半過ぎ、雲一つない夜空に輝く満月を撮影したものです。この満月を見た人もいたと思います。満月は、とてもきれいに見えました。
 写真2は、午後11時前に撮影した月暈の様子です。午後10時を過ぎたころから、空が薄い雲に覆われ、月暈が見えてきたので撮影しました。
 月暈は、月に薄い雲がかかったとき、その周囲に光の輪が現れる大気光学現象のことです。とても幻想的に見えました。


写真1 満月(月齢15) 2019年11月12日(火) 21:34撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:100 露出時間:1/500秒】

写真2 月暈(つきがさ) 2019年11月12日(火) 22:51撮影
【撮影場所:高校公宅広場 ISO感度:800 露出時間:10秒】

10:55
2019/09/02

夕闇に見えた月齢1.7の細い月

| by 学校長
 9月1日(日)の日没後、西空には雲がほとんどなく、18:30ころに白くて細い月が見え始めました。この日の月齢は1.7です。19:00を過ぎると西空も暗くなり月の写真を撮るのに丁度いい状態になりました。
 写真1は、19:09に月の輪郭にピントを合わせて撮影したものをトリミングしたものです。月の表面には、はっきりとはしませんがクレータらしきものが見えています。このころになると、地球照(月が地球の光を反射してその光が地球に届き、太陽に照らされていない部分も見える現象)が見え始めました。
 写真2は、19:10に地球照が写るように露出時間を変えて撮影したものをトリミングしたものです。左側の明るい部分は、太陽の光を反射して見えている部分、それ以外の部分が地球照の部分で月全体の形を確認することができます。
 今週、西空が晴れていれば三日月の形をした月を見ることができますので、是非、見てみてください。
 なお、6日には月齢6.7の月と木星が、8日には月齢8.7の月と土星が接近して見えます。


写真1 月齢1.7の細い月(月の輪郭)  9月 1日(日) 19:09撮影  
【撮影場所:高校公宅前の道路 ISO感度:800 露出時間:1/10秒】
 ※250mm望遠で撮影後トリミングした写真です。


写真2 月齢1.7の細い月(地球照)   9月 1日(日) 19:10撮影  
【撮影場所:高校公宅前の道路 ISO感度:800 露出時間:2.5秒】
 ※250mm望遠で撮影後トリミングした写真です。
09:13
2019/07/29

スモールトラバース in 稀府岳 初登山

| by 学校長
 7月28日の午後、稀府岳(702.2m)の初登山に挑戦しました。この日の伊達市の最高気温は、28.5℃となりました。登山口から山頂まで片道約3km(コースタイム登り2時間、下り1時間)の行程です。午後1時10分、稀府岳登山口から登山を開始しました。

写真1 稀府岳登山口
 
 最初は、なだらかな林道が続いていましたが、前日まで降っていた雨のため、道は濡れており、所々ぬかるみがありました。やがて、トドマツ林となり、その後、悪路の急登が待ち受けていました。10m進んでは、休憩の繰り返しです。午後1時40分には中間地点の「お尻愛の木」(標高約420m)に何とか到着しました。全身汗だくです。

写真2 お尻愛の木(登山口から約1.5kmの地点 中間地点)

 この後も悪路の急登が続きましたが、何とか頑張り昇り続けていると、なだらかな尾根に出て、急に視界が広くなりました。稀府岳の森林限界まで来ました。(標高約450m)

写真3 森林限界(標高約450m)

 この場所で、下山してくる人から、「この先は快適に昇れますよ。」とのアドバイスをもらい、体に「カツ」を入れて登山再開です。森林限界を超えると登山道は、一面笹に覆われた斜面となりました。しかし、ガマ岩(標高560m)当たりから、再び急登となりました。

写真4 ガマ岩(標高約560m)

 心地よい風が吹く中、急登と戦いながら前方を見上げると、小さな標識が見えてきました。息を切らしながら、その場所に向かいました。その場所とは… 「前稀府岳」(標高621m)です。

写真5 前稀府岳(標高621m) 右手後方に稀府岳の山頂が見えました。

 ここからは、南稀府の街並みや校舎、伊達市の街並みや鷲別岳(室蘭岳)を見ることができました。

写真6 南稀府の街並みと本校校舎(白色のロの字型の建物) 遠方に見えるのは、黄金漁港

写真7 伊達市の街並み

写真8 鷲別岳(室蘭岳)〔中央の尖った山頂 標高911m〕 絶景です
 
 前稀府岳を過ぎると、山頂までは稜線歩きとなり、アップダウンを繰り返しながら徐々に近づいてくる山頂を目指し一歩一歩登山道を踏みながら進んでいきました。

写真9 山頂まであと少し 最後の急登が目の前に現れる

 写真ではそれほどには感じませんが、この急登は山頂に向かう最後の試練のように感じられました。そして、気力だけて進んでいき、ついに山頂の大きな標識が目の前に見えてきました。午後2時30分、稀府岳山頂に到着しました。

写真10 稀府岳(標高702.2m)山頂に到着

 こんな時、やはり最初の一言は、「ヤッター」でした。全身、汗まみれでしたが、爽快な気分になれました。登りにかかった時間は1時間20分でした。10分くらい山頂にいて、下山は40分で登山口に到着(午後3時20分)、私のスモールトラバースは終わりました。
 今日(7月29日)、校長室で昨日の登山のことを振り返ってみると、途中の急登がつらくて何度もやめようかなと思いましたが、「山頂に立つ」という目標に対して歯を食いしばって努力し頑張ったからこそ、山頂に立った時の喜びは格別でした。

  
09:34
12

入学者選抜

平成31年度入学者選抜については、以下のリンクをクリックして下さい。

平成31年度入学者選抜学校裁量等.pdf
 

今日の緑丘

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日誌

校長室から
12
2016/02/23

「座右の銘」をもつ~明治維新の英傑・西郷南州(隆盛)先生に学ぶ~

| by 総務
  「座右の銘」をもつ
  ~明治維新の英傑・西郷南州(隆盛)先生に学ぶ~
                                      校長 鍵谷 好徳

 志を高くする者が古聖先哲の教えを受け、英雄偉人の心境を学び、先生(師)に導かれ書に親しんで得た「自己鍛錬精進の本」を自ら書き連ね、自ら掲げ、自らの心の行いとを、日夜これに照らして、反省の鏡としたものを「座右の銘」と言います。後の世の人に慕われる古人の伝をひもといて見ると全てに、何かの形で座右の銘を持っています。若者は座右の銘を作って自らを鍛錬しなければなりません。

 さて今回は維新の英傑である西郷南洲先生の遺訓を紹介します。

 
  何程制度方法を論ずるとも、その人にあらざれば行われがたし。

  人有って後、方法のおこなわれるものなれば、人は第一の宝にして、己其の人に成るの

  心懸け肝要也。

 

 南洲先生曰く、組織がうまく動いているところには、必ずリーダーの中に本物がいます。立派な学校になくてはならぬ優れた教師がいます。業績の良い会社には、優れた経営者と社員がいます。全ての集団の良く活動しているところに必ず「この人あってこそ」と思う人物がいます。世の中の全ての事は規則だけでは動きません。唯人の力によって動くのです。ここまでのことは誰でも理解できると思いますが、西郷先生の遺訓の中にある「其のひとに成るの心懸け肝要なり」の一語はまさに、大教訓であり、自分で其の人物にならんとする覚悟が必要と教えています。今日多くの組織における様々な場面で、自らのことは棚に上げて、他人をこき下ろす事があるのは、いつの時代も同じです。殊に上に立つ者をこき下ろす事をもって、如何にも自らだけは人々の気持ちを代表して述べる人物であるよう見せかけんとする悪風は人害です。(西郷先生の生きた幕末~明治の時代にも、現代にも見られる同じような風潮があったようです) ですから他を批判する前に、まずは、自らが其の人(リーダー)に成る心懸け、そして覚悟が肝要であると教えています。


  
己に克つに、事々物々時に臨みて克つようにては克ち得られぬ也

  かねて気象をもって克ち居れよと也

 

 道を学び、身を修めるには己自身に克つ事が第一です。人の心には寂しいことですが、怠けたい、嘘をつく、争いたい、利欲を求むる等の悪しき心があり、その心を学び得た教えにもとづき押さえつけねばなりません。そのことが「己に克つ」と言うことになります。これはなかなか容易なことではありません。

 中国の王陽明も「山中の賊は破るに易く、心中の賊は破るに難し」と言いました。心中の賊とは、悪しき心のことを言っているのです。己に克てとは誰しもが教えますが、西郷先生によると、そのときに臨んで克たんとしても困難だから兼ねて気象をもって克てと教えておられました。すなわち平素から、己に克たんと努めなければならないと教えられていたのです。

 生徒諸君には、平素から、己自身に克つ努力を心がけ、「この人あってこそ」の生き方をしてほしいものです。ゆえに、それぞれが「座右の銘」となるものを定め、日々精進してほしいものです。


13:21
2016/01/16

「和のこころ」を基本に「情(なさけ)」の発揚を

| by 総務
 「和のこころ」を基本に「情(なさけ)」の発揚を  
                                       校長 鍵 谷 好 徳


今日社会は高度化とともに、急速な変化が進み、利便化の一方でモラルやルールなき社会とまで揶揄される時代を迎えています。国際社会では数々のテロ事件、国内でも思いやりと優しさを忘れ、幼児虐待やいじめ、親子での殺傷事件など考えられない自己中心的事件が続発しています。次の時代を担う若者達には、このような悲しむべき状況を改善して、心豊かな安心のできる社会を形成していく事が強く求められています。本来我が国は、「和」の心をもつ穏やかさを基本精神としており、日本語の中に調和、平和、温和、和室、和食、和服等々「和」という言葉を、日本を示す代名詞として使われてきていることは以前にも紹介しました。これからの若者には「和」の心を基本に「情(なさけ)」の発揚が特に必要なのではないでしょうか。自己中心的で享楽主義の者は、この心を持つことはとても難しいと思います。「情(なさけ)」とは言を飾り、姿優しくうなずいて語る上手者を示すのではなく、内面からにじみ出てくる心優しき思いやりの姿、心根の事です。その「情(なさけ)」を育てる時、我々大人自身も「どれだけ人に優しく、良い影響を与えているか、その上で若者を成長させているか」と自らに問い、反省する必要を感じています。若者の成長ぶりについては、その若者の親に真剣に問い尋ねてみることが大切です。親の「我が子が可愛い」気持ちとは別に、心から我が子に「感心」できるのであれば、まずその若者は「敬」すべきです。様々な角度から観察して、よほど優秀な若者だと思っても、その親からの信用が薄い場合は、第一級の人物とは言い切れないと思うのです。真の若者は、必ず親に対して深い「情(なさけ)」即ち孝心を持つものです。孝心なき者は如何に優秀であっても、周囲の人々は、その若者の言に耳をかす者はおりません。常に親を思う心あれば、自然に言動や行いにあらわれ、親ばかりか周囲の人々の共感を受けます。自分より弱い者、貧しい者に対して、これを蔑むような者、自己の利益ばかり図る者、美しい気分を壊して物事を成立せぬように批判ばかりしている者等々、「情(なさけ)」の苗床が荒れているところに「幸せの実」は育ちません。憎まず、侮らない心と優しく美しい心をもつ人には、「情(なさけ)」の苗が伸び上がります。親は勿論、どのような人にもいたわる気持ちを持ち、老い衰えたる人には「金銭的な幸せまでを与えられなくとも、せめて心だけでも楽しく幸せな気持ちにしてあげたい」。このような若者が増えたら、なんと素敵なことでしょうか。これからの我が国で人々が安心して暮らせる社会に向けて、「情(なさけ)」の心を育てている、心根の優しき本校生のような諸君に、夢のある未来を託したい。

 

「苦と楽と花咲く木々をよく見れば、心の植えし実の生えしなり」

「父母もその父母も我が身なり、我を愛せよ我を敬せよ」

(宮西一積著 「大地の歌」 より)


16:22
2015/12/18

「素晴らしい奇跡」を感謝する心で

| by 総務
 

「素晴らしい奇跡」を感謝する心で

 

              校長 鍵 谷 好 徳

 私たちは、日々を生きていく中で、自らを取り巻くことに感謝の心を忘れてはならないと思います。感謝する心があってはじめて、生きる喜び、生かされる喜びも生まれてくるのです。

 実際、私たちは、生きていく上で、空気をはじめ水、そして太陽の光、暖かさなど自然から限りない豊かな恵みを受けています。時折、その自然から、寒波豪雪、猛暑干ばつ、地震災害など恐ろしく、厳しい仕打ちを受けることもありますが、それらの苦しみから立ち直るのもやはり、自然の力やその恵みが大いに助けてくれています。

 また私たちに豊かな恵みをもたらすのは、自然界からだけではありません。人間(界)社会からも、「豊かな恵み」の恩恵もまたとても大きなものです。

 祖父母、親や兄弟、先輩上司、同僚そして先生方など自分を取り巻く人々の歴史や生き方など、尊い恵みのおかげで、日々過ごすことができているのです。

 

 ところが人々はとかくこのことを忘れがちとなります。「自分ひとりの力で生きている」などと勘違いをして、周囲への感謝やありがたさを忘れる人に出会うと、つくづく寂しさを感じてしまいます。このような人は、絶えず不平や不満をつのらせ、自らが自らの生き方を味気なく憂鬱なものにしてしまっていることに気づいていないのではないかと考えます。他を中傷することでは、幸福な社会は訪れません。

 豊かな民主主義の中、生命や自由、人権を大切にしているはずの昨今、個人の身勝手な考えから起こる事件や事故が本当に数多く報道されています。殺傷事件、振り込め詐欺、危険ドラッグや飲酒からおこる重大な事故等、あげればきりがありません。何故このような事が懲りもせず、頻繁に起こるのでしょう。全国の学校の中でも、いじめなど全く理不尽で悲しいことが起こっています。「学校カースト」などと言う馬鹿げたことも存在すると言われています。事件事故を引き起こす人達は、多くが自己中心的であり、物事や人々に感謝することを忘れ、人を妬み、嫌い、自らの心の不道徳に気がついていない人が多いと考えます。

 

 今あらためて「感謝する心」というと、ありきたりとか、時代遅れの考えなどと言われることもありますが、果たして本当に、時代遅れの不要な考えなのでしょうか。私は決してそうではないと思います。皆さんは、今ここで生きていることが、本当に尊くて、価値あることであり、ある意味では「素晴らしい奇跡」なのだと思いませんか。その価値ある「奇跡」として自らを取り巻く自然や人々、そして歴史と文化など周囲からの恩恵をあらためて実感してほしいと願うのです。

 

 激動と先行き不透明な日本の将来は、生徒の皆さんに委ねられています。自らの境遇について慢心や不平不満に終始することがあってはなりません。

 常に内省(反省)に努め、歴史を学び、先哲の心にふれる事を尊び、何事にも、心の正しいあり方を根本に立てて進む生き方が大切ではないかと思います。そうなれば、必ず豊かな生き方を見いだせるのではないでしょうか。

 「この時代に生きているのは、必然であり、素晴らしい奇跡である。」

 豊かさや利便性をもたらせる機械よりも人として生きるという必然と奇跡を「礼」と「感謝」の心をもって、過ごすことが大切です。新しい年も生徒諸君にとって最高で素敵な年となるよう願っています。


14:44
2015/11/06

「日本のまほろばを求めて」

| by 管理者

   「日本のまほろばを求めて」

     ~大和地方(奈良)・平安の都(京都)から、なにわ地方(大阪)まで巡った4泊5日の旅~

    校長 鍵 谷 好 徳

 現在、奈良県の大和地方は、神話のレベルですが神武天皇の都として、日本発祥の地として考えられています。また「日本」という国号が定められる前、「ヤマト」が国全体を表す言葉として使われておりました。(現在の「日本」という国の呼び名は、701年大宝律令が完成して大和朝廷を中心とした国家ができ、このときに「日本」という国の呼び名が法的に確定されました。)

 第12代景行天皇紀には、「大和は日本のまほろば」とあります。(「まほろば」とは優れた、良いところ、良い国を意味する古語)「ヤマト」に「大和」の字をあてたのは、国の理想が「和」であり、このことに大いに優れているという意味の「大」をつけ、「大和」と名付けたと言われています。「和」とは聖徳太子の十七条憲法の「和をもって貴しとなす」と定められていたように、「和」は日本精神の基本であり、穏やかを意味し、調和、平和、穏和などと表現され、さらに、日常私たちは、和室、和食、和服など「和」を日本を示す代名詞として、今は自然に使っています。

 さて、今回の見学旅行では、東大寺などの大和地方、そして中国の都長安を模した京都、豊臣政権の中心地大阪などの歴史や文化、そしてそこに住む人々から何を学び、何を感じるかなども目的の一つです。本居宣長は「大和心はなにか」と問われ、「敷島の大和心を人問えば、朝日ににおう山桜花」と答え、平和で静かであり、雅やかな民族性を詠いあげております。見学旅行団の生徒諸君は、「大和の心」を感じることができましたか。また商人が活躍した大阪地方で何を感じましたか。

 さらに、大和地方と京の都における隠された歴史の悲しみや苦しみを学ぶことができましたか。昔、奈良の都ではお坊さんはエリート階級で華やかな文化の中に豊かな暮らしをしていたと思われがちですが、その実、大多数のお坊さんは、法衣がたった一枚しかなくそれが盗まれ、盗難休暇を出したり、洗濯休暇を願い出たりしておりました。東大寺でも写字生などは給料があまりにも低く、衣をもう一枚ほしいとか食物を要求している古文書の原案が正倉院に残っているようです。貧しく貧富の格差が激しい社会であったようです。私たちは一見平穏で華やかな天平文化を支えた社会の底辺には、風紀も乱れ、現在よりも貧困にうめく多数の民衆の悲しみや苦しみも学び取る必要があります。

 加えて、青丹よしの美しい都である平城京や、伝統を誇る平安の都には悲しい歴史があります。日本語には死者を「葬」(ホオムル)と言う字は「放る」(ホオル)から出る言葉ですが、平安末期では都の路傍に多くの死体が放棄され、ところによっては、江戸時代まで続いた歴史をもちます。明治政府が遺体の地上放棄を禁じたため、さすがになくなりましたが、それらのことが、「飢餓草神」にリアルに描かれています。奈良の春日山の東裏の谷間、京都の清水寺の舞台から見下ろす音無川の谷間なども、今は若者に人気のある散策の道ですが、昔は死者を捨てにいく悲しみの道でした。歴史への「旅」とは本来そのような古人の生き様とあわせて死に様をも、私たちに伝えてくれる手引き書であります。歴史の表裏を知ることは、物事を正しく理解するためには大切です。私自身、幾度も奈良、京の都を訪れておりますが、毎回違う発見や感動とともに、今年も古人の悲しみや苦労を感じ取ることができました。

 高校という人間形成の上で重要な時期に、自らの国の風土や古人の築いた歴史の恩恵を感じると同時に、その「苦労を理解し無駄にしない心」と様々な人々や物事への「感謝の心」を育てることが、旅の魅力であり、旅行とはそのようなところに多くの価値があるのかもしれません。旅行中の生徒諸君の楽しそうな笑顔とともに、時には真剣な表情で見学している諸君のような高校生の姿を古人が見たらきっと喜んだと思います。その意味で今回は本当に楽しく意義のある旅となると共に、生徒諸君の中にしっかりと、「国のまほろば」を強く感じる旅になったと思います。


 


07:20
2015/10/20

「古きを学ぶ旅の大切さとは」

| by 管理者

   「古きを学ぶ旅の大切さとは」

         ~より豊かな世界に導く、新しき目を持つために~

                                                                         校長 鍵谷 好徳

旅の語源は、正確なものは未詳であるが、古くは住居を離れることを、すべて「たび」と言いました。その意味では「たどる日」「発日」あたりが妥当です。「他日」「外日」など別の地で過ごすことから「たび」となったか、他の家で調理したものを頼ることから「他火」が語源ともされます。このように物事を知る上で、語源を考えることから始めることも大切であり、興味深くもあります。

 さて、「人はなぜ旅をするのでしょう」この問いに明確な答えは「人はなぜ恋をするのか」を説明することと同じくらい難しいです。旅の歴史は段階的なものであり、最初は水や食べ物を求め、次は定住に安全な場所を求めるなど生きるためが旅でありました。そのため庶民が好む旅となるには歴史的にかなり時間を要しましたが、除災招福のための庶民の信仰の旅だけは、平安末期から鎌倉時代、そして室町時代から江戸時代と広がってきました。このような旅は多様な歴史をもちます。

 それでは「旅と学び」の関連性について考えてみます。私は本校で一貫して言い続けていることがあります。それは、「親や兄弟、家族そして仲間を大切にすること」そして「その心を自らの中心軸にする」ということです。それは「学び」から会得するもの以外はないものです。

 ゆえに見学旅行とはそのような「学びの機会」の一つであり、学校を離れた「授業」とも言えます。理由や目的を問わず旅することは、日常生活を一時的に離れて自己を見直し、新しき知識を求めると言う意味では普遍です。

 平素とは違う環境で自然や歴史文化、人との出会いは新たな価値観との出会いであり、美しい、楽しい、美味しいなどの感じ方とともに、自らをより豊かな世界に導くものとなります。平素の生活から離れ、多くの古き創造物や生き様にふれ、様々な出来事に遭遇する。そのことをどう生かすか、旅の価値は、旅人の心構えで決まります。生徒諸君の見学旅行が、このことに気付く良き旅となることを願います。

 最後に、とても良いフランス作家の言葉を紹介します。

「本当の旅の発見は、新しい風景を見ることではなく、新しい目をもつことである」

                                                            ~マルセル・プルートス~


09:40
2015/09/01

「武道の精神とは」~真を尽くす~

| by 管理者

 

   「武道の精神とは」~真を尽くす~

                                                      校長 鍵谷 好徳

  慶応義塾の福沢諭吉、同志社の新島 襄、麻布学園の江原素六とともに、明治の四大教育家として、攻玉社の創立者に幕末の志士であり、蘭学者の近藤真琴がいます。彼は若き時より、数学や航海術などに優れ、教育については、早くから「和魂漢洋才」の必要性をとなえておりました。近藤真琴の影響下には、後日、我が国屈指の進学校となる海城学園の創立者となる古賀喜三郎など有為な青年達が数多くおりました。攻玉社や海城学園に見られるように、教育の真髄とは、武道の精神と同じと言っても過言ではありません。
 教育評論家の二見喜章氏は、「いつの世も国の将来や品格は人の在り方できまるものである。」また、「人は主として家庭教育と学校教育によって創られ育まれる。わけても、学校教育の果たす役割は大きく、この機能無くしては社会にとって有能な人材を育てることができない。個々人が本来持っている資質や能力、感受性などは学校教育の場で開発されることが多く、この役割は家庭教育、社会教育をある意味でしのぐものである」と述べています。
 そうであれば学校教育と家庭とが協力関係を結べない状況があってはならない。大切な子どもをりっぱに成長させるために、両者は不足するところを互いに補完し合う関係であることを、あらためて認識します。
 人生で最も重要な時期を生きる高校時代は、人間修養の時期であって、この時期に出会う学校の教師、友人から人間形成に必要な栄養分の大半を吸収します。ゆえに校長以下、教師の情熱、意欲、愛情こそが不可欠です。私は教育の根本と、武道の精神には、共通性があると感じています。その武道の精神とは、「仁、儀、礼、忠、孝、勇、信」を柱とした心の教えです。

  「仁」則ち人への思いやり。  「義」則ち人の行うすじ道。

  「礼」則ち人への敬い。     「忠」則ち人へのまごころ。

  「孝」則ち親を含め人に尽くす。「勇」則ちくじけない強い心。

  「信」則ち人をあざむかず、陰口、中傷を嫌い、真を尽くす。

 要するに「人を裏切らず、礼儀正しく、最後までまごころ込めて、すじ道を通して生きていきなさい」と言うことです。この武道の心を生徒の諸君には身につけてほしいと願うばかりです。
 我々教師も「明師良友」という人の道の親兄弟を表す言葉があるとおり、大切な生徒諸君のために、自らの修養に努めると共に、良き教師となるために一層強く、決意しています。生徒諸君も自らの努力も求められます。さらに精進努力して、真を尽くす生き方ができるようにしてください。

 

 


12:57
2015/07/15

「先人のあとを追うな、先人の求めていたものを求めよ。」

| by 管理者

  

 ~緑高祭から~

先人のあとを追うな、先人の求めていたものを求めよ。

                                                      校長 鍵谷 好徳

人間が衣食住をはじめ学問、芸術、スポーツ、道徳、宗教等々、物心両面に築いてきた生活様式と生活内容が「文化」です。私たちの日々の生活はあらゆる面で文化の恩恵を受けています。私たちには、先人が知恵をしぼり、築きあげてきた文化に敬意と感謝を持つと同時にこれを発展させていく使命があります。

さて、文化は「Culture」。カルチャーには「耕す」という意味が含まれていますが、文化の原点には各人の心の田を耕すという「心田開発」が求められます。この心田開発を進めることで文化は育ってきました。「田畑」を耕すためには農機具が必要ですが、同様に「心の田」を耕すためには「創造」と「向上」という要素(道具)が必要です。物事には、いきなりオリジナルな発想が生まれるとは限りません。文化の内容が習作をもって創作へと進むためには、時には徹底的な模倣が必要なこともあり、模倣から出発して創造へ発展していく過程で「新たな文化」が生まれるものです。学校文化についても生徒諸君が、天まで届けと伸びゆく若木のごとく、創造と向上をめざす生成発展の原理の中で育ってきました。この大切な学校文化の一つであり、諸君の成長の糧となる学校祭(緑高祭)が惰性に流され新鮮さを失ったり、単なる息抜きの場だけになることなく、各人の心田開発が進むような内容のあるものでなければなりませんが、とても素晴らしく、まさに芭蕉の「先人のあとを追うな。先人の求めていたものを求めよ」という言葉の具現化を見る思いでした。感動しました。

本校445名の諸君が一人一人輝きを放ち、変えるべきものを変える勇気をもって事に臨み、百花繚乱ともいうべき人生を築いてほしいと願うばかりです。

 注 百花繚乱・・・様々な困難や障壁を乗り越える優れた人物が多く出て、立
          派な努
力の成果がたくさん出ること


 

 


13:01
2015/06/08

親思う心にまさる親ごころ けふ(きょう)の音ずれなんときくらん

| by 管理者

  「親思う心にまさる親ごころ けふ(きょう)の音ずれなんときくらん」 

 人間力を高める学び  

                                                                            校長 鍵 谷 好 徳 

  最近、親子や兄弟など家族の間でも、様々な人間関係の問題が良く聞かれます。悲しい事件、事故の報道も多く耳にします。人間の資質、能力、いわゆる人間力が衰えているかもしれません。何故かくも寂しい世の中になっているのでしょう。 

  哲学者の森 信三は人間を井戸水にたとえています。井戸水はどこか深いところで地下水に通じていて、水がなくなったと思ってもしばらくすると湧き出で、もと通りになっている。それと同じように際限があるようで際限がないのが人間力と言うことです。 

  では人間力を湧き出させるにはどうしたらよいのか。それはなんと言っても、よく学ぶ事です。偉人の伝記を読むことです。歴史と人物に学ぶほど生きた学問はありません。 

 さらに読書と共に、親の生き方によく学ぶ事がとても大切です。親の生き方は人間社会の歴史を形成してきました。ですから親の生き方に学ぶ事は歴史を学ぶことになります。 

 「親思う心にまさる親ごころ けふ(きょう)の音ずれなんときくらん」 この和歌は、幕末の偉人、吉田松陰が処刑されるときの辞世の句ですが、今まさに命が果てようとしているときに、人としてのあり方や考え方を教えている、その思いに頭が下がります。本来、親こそが子を産み、子を育て、子を教え、自分を忘れて、ただ、子の幸せを祈り、子が人として大成できるようにと考え、行動するものであります。上記の和歌はまさに「子どもが親を思う気持ち以上に、親の子に対する慈愛の気持ちはさらに深い」と言う意味をもっています。
 昔、堀田喜一という人物がおりますが、彼は大変来客を好み、神官、儒者、僧侶、詩人など多くの人々が家に出入りしていたそうです。そうした来客時には、必ず息子にお茶を持ってこさせ、給仕役として側に待機させ、一緒に客の言うこと、話すことを聞かせたと言います。それは息子に優れた客人の感化を受けさせたいという親の心からであったと言われます。喜一は息子が小学校に上がるようになると、近くの神社の神主に四書五経などをはじめ古典や歴史を学ばせました。息子にとっては、小学校、中学校の教師のほかに、古典漢文、歴史を教えてくれた教師がいたということになります。その息子はやがて素晴らしい人格者に成長していきます。                            
 このように、私たちは親から様々な愛情を受け教えを受け、学ぶ機会をいただいております。教育の基本は「愛」とともに仰ぎ見る「敬」が重要であり、親子の関係でも、母の大きな「愛」を感じ、父の厳なる意味を理解し、「敬」う心を持って成長することが若者のありかたではないかと思います。また父母からの教えに加えて、兄弟や祖父母からも大きな教えをいただいております。そのようにして学び成長した若者が築く家庭には、素晴らしい人間・家族関係が実現していくと思うのです。どうか将来、多くの人を幸せにするために「様々な学び」を大切にしてください。そして人間力を高めるのです。
参考 「安岡正篤 人間学」神渡良平)  




09:42
2015/05/25

高体連シーズン到来~「Be gentlemen(紳士であれ)」~

| by 管理者

5月の校長室から            

高体連シーズン到来                     
    ~「Be gentlemen(紳士であれ)」~
                        
校長 鍵 谷 好 徳

 札幌農学校(現在の北海道大学)でのクラーク博士の「Boys、be ambitious(少年よ大志をいだけ)」という言葉はとても有名です。しかし博士は札幌農学校赴任の挨拶で、もう一つ言葉を残しています。これが「Be gentlemen(紳士であれ)」です。クラーク博士は、同志社大学の創立者である新島 襄先生がアメリカのアーモスト大学へ留学中に「化学」の授業を担当された方でもあります。博士は、学生達に学問とスポーツの価値を等しく説かれていますが、部活指導に取り組んできた私も同じ考えですが、スポーツ技術の向上は人間性の向上につながり、「考える頭、行動する体、感じる心」がバランス良く磨かれなくてはなりません。その上で「ベストを尽くす」ことが強く求められると思います。このことは試合に臨んだ者や周囲の人々がよく口にする言葉ですが実行は意外に難しいものです。スポーツの世界では体力や技量等の個人差は、第三者にもはっきり目につくものです。時にはなげやりになったり、相手を見くびったりしかねません。しかしどのような場合においても、ベストを尽くすように試合に向き合うべきであり、このためには積小為大の法則の下、日々の練習の積み重ねが大切です。そして本番において全力を尽くすことで、優劣を越えて相手を讃える心が湧き上がり、見ている人等、周囲の人にも伝わり、大きな感動にもつながります。博士の言葉である「紳士であれ」は「ベストを尽くす人であれ」という意味を含めているそうです。高体連のシーズンとなりました、学問と部活動の両立をめざす本校ですから、「紳士であれ(ベストを尽くせ)」というクラーク博士の言葉を生徒諸君へ伝えます。                         

 もう一つ、兵庫県のスポーツ強豪校で多くの種目で全国大会への常連校であり、学習にも優れた進学校の先生の言葉も紹介します。               

若者よ 体(頭)を鍛えておけ 美しい心が、たくましい体(優れた頭脳)に、からくも支えられる日がいつかはくる その日のために、体(頭)を鍛えておけ 若者よ」


 

 


11:51
2015/05/01

「花は芽にあり」~学校(学び)の大切さとは~

| by 管理者

4月の校長室から

「花は芽にあり」学校(学び)の大切さとは

 


北海道伊達緑丘高等学校長 鍵 谷 好 徳

 

 

若者が礼儀及び規範意識などの社会性や何事にも前向きな積極性を養うとともに、将来に向けての目標意識を高め、自己確立を図るためには、日常からの「学び」が重要です。

1 自らに付加価値を付け、敢えて「苦」と向き合う

 新たな社会づくりを担う若者には、「時間」という資本財をたくさん使い、「学校」という知識の源泉から、歴史上の人物の生き様や出来事をはじめとした多くの事を学び、自らの夢や目標の実現に向けて、一人一人が付加価値を付けることが強く求められています。その過程では様々な困難も経験します。価値観が異なる人々の集合体では「トラブル」がおこります。トラブルは「苦」であり、できれば「苦」を避けて、「楽」でありたいと思うのは必然です。人は周囲から肯定(理解)されるとうれしく、生き甲斐を感じますが、否定されると後ろ向きで無目的な生き方に陥ります。それでも多くの「苦」に堂々と向き合いそれを乗り越えて自らを高め、他の尊さを認める能力を「学校」(学び)にて培うことが大切であります。

2 「無知の知」と「学習は楽習」であることに気づく

 古代ギリシアの哲人ソクラテスと「無知の知」との関連性については生徒の皆さんは理解されていると思いますが「学問に真剣に向き合う」と「自らの知識が如何に浅く、何も知らないこと」に驚くことは誰もが一度は経験していると思います。「学び」に真剣に向き合わないと、将来、自分の家族や周囲の人に何も伝えることができません。そして「果たしてこれで良いのか」と悩むことになります。一方、自分が今まで知らなかったことが理解できたり、知ることは、とても楽しいことだと認識することができると思います。

 大地にしっかりと根付く大きな木に、美しい花が咲き誇り、それを見ることができる良い季節が巡ってきました。美しい花を咲かすということはその芽の芽吹き方が大切です。生徒の皆さんの「花」が幸せな将来とすれば、学習がその「芽」となります。そして本来学びは楽しくその「学習が楽習」となるための場が学校なのです。将来の目標の確立や学習の楽しさを知るためにも、若き時からの学校(学び)の大切さを理解し、自らに学びの集大成である見事な大輪の花が咲くよう努力してください。美しい花も、大切なのは「芽」の芽吹き方です。

 


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新着情報

 

パブリックスペース

令和5年3月24日(金) 伊達緑丘高校記念室 完成03/30 08:58
3月17日(金) 令和4年度胆振管内教育実践表彰授与式03/17 11:00
3月16日(木) 校内研修03/16 12:35
3月13日(月) 体育館校歌取り外し・記念室準備03/16 12:28
令和4年度 学校評価.pdf 教員評価.pdf 保護...03/16 11:27
3月1日(水) 卒業証書授与式03/08 08:46
令和4年度 第8号 (11月).pdf 令和4年度 第...01/30 14:42
〇 閉校後の各種書類発行について  令和5年4月1日以...01/30 08:19
1月20日(金) テーブルマナー講習会01/20 16:25
1月19日(木) だてラジ宅配便 ラジオ収録01/20 09:22
12月21日(水) 冬季休業前集会・ピンクシャツデー12/22 16:37
12月2日(金) アイヌモシリ上映会・福永監督講演会12/02 15:45
11月17日(木) がん教育講演会11/22 09:51
11月15日(火) がん教育事前学習11/15 17:06
10月26日(水) 避難訓練10/26 16:22
10月8日(土) 閉校記念式典10/26 15:43
9月29日(木) 強歩大会09/30 12:27
9月22日(木) 体育大会09/30 11:46
いじめ防止基本方針.pdf 生徒心得.pdf08/08 08:41
思春期講演会(7/13 5・6時間目)07/14 11:51
第40回 緑高祭07/13 14:10
~第40回緑高祭のご案内~ プログラム ・7月9日(...07/07 20:20
【 校名 】 伊達市は、「緑と太陽のまち」をキ...06/08 10:02
○本校における新型コロナウイルス感染症の発生状況をお知...06/01 08:44
件名なし06/01 08:39
1日防災学校が行われました。05/17 13:01
高体連室蘭支部壮行会が行われました。05/13 10:30
件名なし04/02 08:26
北海道伊達緑丘高等学校 Instagram運用ポリシ...04/01 11:00
上靴寄付ボランティア(回収と選別と梱包作業)03/22 13:22
DIALOGUE FOR BOSAI03/11 18:17
緑高生、進路活動に頑張っています!03/08 11:07
マナー講座を行いました‼02/01 16:29
クリスマス for 稀府小学校12/21 11:35
ベネッセ進学講演会が行われました!12/09 13:43
稀府小学校よりプルタブの贈呈を受けました!!12/08 12:46
第2回 クエイティブ・ワーカー・ミーティングを実施しました。12/06 16:29
日台オンライン異年齢文化交流会11/15 15:02
「だて市民カレッジ」で発表しました10/13 14:26
上級学校進学相談会に参加しました‼10/05 18:53
証明書交付申請書.pdf09/24 16:15
クリエーティブワーカーミーティング09/01 13:47
「検温機能付顔認証リーダー」寄贈いただきました09/01 13:39
2学年進路学習会行いました!08/01 15:27
海岸清掃を行いました07/20 12:14
学校祭②07/16 15:27
学校祭07/16 12:34
防災安否札贈呈07/05 13:59
「看護系」への進学多く05/18 12:17
スタサポ講演会&保護者向け進路講演会05/14 08:35